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サンルイの集学的治療

なぜ集学的治療が必要なのか? 
がんは20~30年にわたる長い時間をかけて出来てきたと言われております。
同じがん細胞は固有の速度で分裂・増殖をするといわれています。
ただ自分の免疫力が強い間は殆ど検査結果に出てくることもなく、じっとして同じ大きさで治まっていると考えられます。
それは自分の持っている免疫監視機構と呼ばれる免疫のネットワークの中で、特に細胞の表面に異常のある事を察知して即座に殺してしまうナチュラルキラー細胞の働きが大きいと考えられています。
そのため、長い間何事もなく経過します。
その中で大きなストレスによる極端な免疫低下やホルモン異常や老化などによってその免疫の厳重なシステムからはずれ、免疫力の力が及ばない組織に成長したものががんです。

がん自ら栄養を取り込もうと血管を引き入れたり、抑制性免疫という免疫をおさえる細胞を癌細胞中に呼び込み、自分が大きくなる免疫の邪魔をする方法をあの手この手で作り出していきます。
がんが大きくなっていき、全身に転移してしまった時、免疫のシステムは手も足も出なくなっているのです。

その状態を打破することの出来るのはやはり標準治療です。
手術や放射線によって局所的に癌組織の縮小し、化学療法によって全身的にがんを攻撃します。


しかし、これだけでは本当の意味でがん治療にはなりません。
免疫療法が組み合わせることが不可欠です。
免疫療法の中でも特に樹状細胞療法が有効であることが科学的に証明されています。




樹状細胞療法はなぜがんに有効か? 
特異的免疫を十分に働かせるためには樹状細胞が必須です。
子供の頃の水ぼうそうや麻疹のワクチンを皮内に注射するのは、皮膚の樹状細胞に病気の原因となるウイルスの抗原を覚えさせるためなのです。
樹状細胞はその細胞表面にHLAと呼ばれる杯の様な分子を沢山出しています。
ここにウイルスの抗原の断片を乗せることによって、ウイルスを一気に殺すキラーT細胞を作ることが出来ます。
この樹状細胞の機能を使って、がん抗原を認識した樹状細胞を人工的に作るのが私たちの主な役割です。
やっと、ここ10年間で樹状細胞療法の培養方法が確立し、そしてキラーT細胞にしっかりとがん抗原の情報を送ることの出来る人工抗原の研究が進歩して、この治療が可能になりました。
もう一方で、がん細胞が免疫システムから逃れてどんどん増殖を続けることを防ぐためにも、免疫療法以外の方法で直接がん細胞をやっつけることがとても大切です。
その為、がんを治すためには、患者様の症状に適した樹状細胞療法と標準治療(手術・化学療法・放射線療法)やその他治療との組み合わせ方の工夫が必要となります。



樹状細胞療法との組み合わせ








 























手術と樹状細胞の組み合わせ 
がんが局所にとどまっている時には手術が第1選択となります。
結果から言えば、初期癌に対しては、最高の治療だと言えます。
ただ、乳癌の様に癌病巣は非常に小さいのにすでに他の組織へ転移をおこしている場合もあります。


再発予防は絶対に必要な治療です。
化学療法や放射線療法のみではなく免疫療法こそ本当の意味での再発予防であります。


(1) 癌組織の保管をしてください。(組織保管) 最高の抗原となります!


これまで手術で切除されたがん組織は、検査をしたあとに破棄されました。
その不要と考えられていたがん組織が、近代バイオテクノロジーの進歩で新しいがんの治療や診断に利用できることが明らかになってきました。
クリニックサンルイではあなたの大切ながん組織を保管しておくことによって、あなたのがん治療に応用することができるのです。


(2) 術前にアフェレーシス(成分採血)をして、樹状細胞を作成し自己癌組織をライセート化してワクチンを作成します。













実際には手術前に入院となるためアフェレーシスが困難になることが多く、その場合は退院後白血球パターンをチェックして、術後化学療法の前にアフェレーシスをすることになります。
退院後すぐにワクチンを投与できる様に早めのご相談をおすすめいたします。






放射線と樹状細胞の組み合わせ 
海外ではがん治療の中で放射線治療の占める位置は大変に大きいのですが、日本ではまだまだ抵抗のある人が多いのが現状です。しかし、この治療法はがん治療の中でも非常に近年発達している分野です。
放射線障害の大きな問題は、がんではない部分にも障害を残してしまうことと骨髄抑制があげられます。
まず放射線障害を防ぐ為に、放射線機材の発達とコンピューター性能の発達があげられます。
新しい時代の放射線治療として定位放射線治療と可変量放射線治療(IMRT)があり、両者は組み合わせて行われます。

現在は三次元的に照射するトモセラピー及びノバリスによる治療が有効です。
樹状細胞との組み合わせるために、コンピューターにより、より正確に癌部位に照射可能なので何箇所にも照射が可能です。
照射量に関しては専門家間で議論して決定します。
照射終了後1週間後に樹状細胞療法を開始します。
投与法は2種類あり局所療法またはワクチン療法のどちらかを行います。













化学療法と樹状細胞の組み合わせ 
化学療法は手術が出来ない場合、または再発時及び再発予防時に行われています。
抗がん剤の種類も投与方法もかなり改善され、効果も上昇したため副作用も軽減する傾向があります。
しかし、単独で治療する場合はかなり大量の投与で長期間に及びます。
連続点滴の方法や服薬治療など薬剤の種類によって1週間間隔で3週間通した後1週間休薬する方法や、3週間あるいは4週間に1回続けて半年間治療する方法などがあります。
(1) 樹状細胞の投与後数日間は抗がん剤による治療を受けない事が望ましく、通常は抗がん剤投与後1~2日後にワクチンに投与し、次の抗がん剤投与までは、4~5日間あけるという方法がとられています。
(2) TS-1やUFTやゼローダなどの服薬は特に間隔を変える必要はないといわれています。
ジェムザールやTS-1の併用で非常に良い効果が出ています。
できるだけ化学療法の開始前にご相談ください。











その他の治療と樹状細胞の組み合わせ 


活性化リンパ球療法との併用
この治療は、リンパ球の中で約70%を占めるT細胞にCD3とインターロイキン2というものを加えることによってリンパ球を活性化させ、約2週間の培養後に投与するものです。
本来、リンパ球の活性という働きは生体で感染などによって免疫が亢進した時に自然に身体で起こっている現象ですが、自然に起こっている場合は樹状細胞を通じてウイルスの抗原などの刺激を受けて起こっているわけです。
だから、人工的に刺激する場合には特異的に働くものでなく、非特異免疫力を高めます。
そういう意味で免疫力が明らかに落ちている人には樹状細胞療法との併用をお勧めします。
ワクチン投与時に24mlを採血し2週間後のワクチン投与時に併用することとなります。











BRM療法との併用
通常、樹状細胞ワクチン投与時には当院ではピシバニールとレンチナンを併用します。
ピシバニールは発熱という副作用はあるものの、樹状細胞にもT細胞にも強い活性力を発揮します。
インターフェロンαを多く出して、特異免疫の力と非特異免疫力の両方を強く刺激します。
レンチナンは少し異なりますが、発熱は殆ど起こさず、側面から樹状細胞の効力を高めます。
100人に2人ぐらいの割合で腰痛やふるえなどの副作用を起こすことがあります。
こういった症状のある方には、BRM療法の使用を中止することがあります。











温熱療法(ハイパーサミア)との併用
これは電子レンジとよく似た作用を用いて治療をします。つまり、癌の深部温度42℃まで上昇させるという装置(ハイパーサミア)を使います。
当院では行えませんので、他の医療機関で受けて頂くことになります。
これまでに、樹状細胞と併用して良い効果があったという論文も出ています。
タイミングとしては、温熱療法を受けた翌日に樹状細胞を投与することになります。






超高濃度ビタミンC点滴療法との併用
ビタミンCの血中濃度が400mg/dL以上になった時、多くの種類のがん細胞を殺すというデータが出ています。
非常に多くの方がこの治療を受けるようになりました。
当院でも、ご希望の方にはこの治療を行っています。通常この治療を受けた翌日に樹状細胞ワクチンを投与するのが最善だと考えます。











分子標的療法
分子標的治療とは体内の特定の分子を狙い撃ちしてその機能を抑えることにより病気を治療する治療法である(Wikipedia引用)。
イレッサ、タルセバ、アバスチン、ハーセプチン、ネクサバール、スーテントなどが続々と使用可能となり非常に良い効果をもたらします。
本来こういう薬も、ある意味での免疫療法だと考えて良いと思います。
上記の薬と樹状細胞療法との併用は全く問題なく可能です。