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The ASCO Annual Meeting 参加のご報告

~膵がんに対する樹状細胞ワクチン療法について報告~


岡本正人(武蔵野大学薬学部薬物療法学研究室客員教授)
が、2009年5月29日~6月2日に米国オーランドで開催された「The 2009 Annual Meeting」 にて、樹状細胞療法の症
例報告を行いました。
タイトルおよび要旨は以下の通りです。


発表に対する質疑応答はポスター発表に与えられた4時間
の間ほとんど絶えることがなく、世界各国から集まった臨床
医・研究者等の関心の高さを強く感じることができました。
 



【タイトル】
   
「標準治療無効の進行した膵がんに対するジェムザールおよびS-1と樹状細胞ワクチン療法の併用による抗腫瘍効果」
  
  
【要旨】
  
膵がんは極めて予後不良である。免疫細胞療法において重要な腫瘍特異的細胞傷害性Tリンパ球は、樹状細胞ワクチン療法によって体内で活性化されることが知られている。しかしながら、これまで樹状細胞ワクチンを用いた免疫療法による臨床効果は、固形がんの中でも特定の症例に対してのみ有効であった。これは、がん患者においては、がん細胞に対する免疫反応が起こりにくくなっていることが一因となっているが、これを克服する方法として、化学療法のような他の治療法との併用が有用であると考えられる。これまで、S-1やゲムシタビンががんに対する免疫反応を増強させる働きがあることが示唆されてきた。本研究では、標準治療無効の進行膵がんの症例に対して、化学療法のゲムシタビンおよびS-1と膵がん関連がん抗原由来ペプチドをパルスした樹状細胞ワクチンとの併用の臨床効果について検討したので報告する。
  
  
  
 対象患者と治療方法:
  
標準治療に対して抵抗性を示す手術切除不能の膵がん患者27名を対象とした。成熟樹状細胞は血液の成分採血後、CD14陽性の単球をGM-CSFとIL-4で6日間培養し、溶連菌の乾燥菌対であるOK-432で刺激することで得られた後、膵がん関連抗原由来ペプチドをパルスされた。得られた樹状細胞ワクチンは、ゲムシタビンおよびS-1と共に5回、14日間のインターバルをおいて皮内投与された。
  
 
  
 結果:


評価可能な18症例のうちCR2例(11.1%)、PR7例(38.9%)、SD5例(27.8%)PD4例(22.2%)が認められた(CR:完全退縮;PR:部分退縮;SD:進行停止;PD:進行)。奏功率は50.0%であった。また、生存率、生活の質、パフォーマンス・ステータスの著しい改善が認められた。本治療において、NCI-CTC Grade3以上の重篤な副作用は認められなかった。(※発表内容と抄録内容に違いありますが、発表内容は抄録時からアップデートされたものです)
  
 
  
 結果と考察:


標準治療の適応にならない手術切除不能の膵がんの症例に対して、腫瘍抗原ペプチドをパルスした樹状細胞ワクチン療法とゲムシタビンおよびS-1の化学療法との併用療法は安全であり、抗腫瘍効果が得られる可能性が強く示唆された。